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絶対王者Re:valeの更なる進化。納得の名曲「Re-raise」

re-raise

Re:valeとはなんて幅広い音楽性のあるグループなんだろうか。

新たに発売されたRe:valeのシングル「Re-raise」三曲が収録された今作だが、曲のジャンルはバラバラ。そしてどの曲が表題曲になってもおかしくない程にクオリティーが高い。まるで今のRe:valeの充実ぶりをそのまま表わしているかのようなシングルだ。

事実、Re:valeはBLACK OR WHITEでの連続総合優勝の記録をまた伸ばした。これだけ最高潮の彼らにストップをかけられるグループがいるのか怪しいほど、今のRe:valeには絶対王者という言葉がぴったりだ。

そして恐ろしいことにRe:valeは今尚、進化の過程にいる。今回のシングルの三曲はどれも彼らにとっての新境地とも言えるような楽曲ばかりだった。常に過去を更新していけるからこそ、彼らは今の立場で居られるのだろう。その一方で彼ら本来の良さはしっかりと活かされている。それは表題曲である「Re-raise」にも現れている。

Re-raiseのエレガントなファンクネス

心地よいグルーブを感じられるファンキーでソウルフルな楽曲「Re-raise」サックスとピアノのメロウなサウンドから始まるこの曲は、彼らが新境地に足を踏み入れた証明でもある。

一昨年リリースされたアルバム「Re:al Axis」もRe:valeの幅広い音楽性を楽しめる名盤だった。だが、共通して各曲のバックボーンにあったのはロックバンド的なサウンドや、ダンスミュージック的なアプローチだった。そんな彼らが、新曲でここまでブラックなノリの楽曲を聴かせてくれたことに驚いたのは僕だけでは無いだろう。

しかも全く付け焼き刃な感じがなく、元々こういった音楽性のグループかと思わせるほどに楽曲の完成度が高い。ファンクやソウルといった楽曲だともう少し粘るようなグルーブや、熱っぽいボーカルが一般的にはイメージされるだろうが「Re-raise」にはそんな印象が全く無い。

むしろ、どこかエレガンスのある上質なジャズにも似たファンクネス。それらが持ち前のメロディセンスの良さでまとめ上げられている。その上質さは、名盤「LIFE」をリリースした頃の小沢健二の姿を僕の脳裏にちらつかせた。

そしてただ上質な音楽というだけでなく、この曲には力強さもある。容赦のないゴシップ記事へのアンサーとして屋上ライブで披露されたことにも表れているように、「Re-raise」が彼らの強い気持ちの元に制作されたことは想像に難くない。攻撃に対して攻撃で返すのではなく、質の高い音楽で意思表示をする。考えうる中でも最も見事な解答方法だろう。

青春を体現した永遠性理論

一方でシングルの二曲目に収録された「永遠性理論」はユニバーシアードサッカー大会のテーマソングとして制作されたこともあり、青春感全開の爽やかなロックナンバー。これまでRe:valeが歌うバンドスタイルの楽曲には、もっとソリッドさや切なさを帯びたものが多かった。この曲はそれらとは一転してポップで明るい楽曲に仕上がっているので、より多くの人に受け入れられるものだろう。

インパクトがあるのは明るく前向きなブラスサウンドだが、ロックバンド的なアレンジも多く入っている。ギターはかなり歪ませたサウンドで自由に演奏され、二番に入るとドラムのリズムも一本調子でなく変則的に変わる、そして終盤の音数が減るパートでのドラムパターンはロックンロールの定番そのものだ。

この楽曲は百と千の二人じゃないと生まれ得ない楽曲なのだと思う。高校時代はサッカーに情熱を注いでいた百と、音楽制作に没頭していた千、時期は少し違うのかもしれないが、それぞれの青春という思いがクロスオーバーした名曲。

誰もが通る十代の頃に感じる葛藤と根拠のない全能感。どうなるのかなんて分からない未来と、そこに向かっていく自分。様々なものが混ざり合った思いを、これだけ爽やかな楽曲に落とし込むセンスと構成力には全くもって脱帽するしかない。

あまりに完璧なテーマソング過ぎて、子供の頃に全国高校サッカー選手権のCMソングとして耳にした気がした。調べてみたがどうやら勘違いだったらしい。

千と百の楽曲、t(w)o…

千が盟友、万理と作り上げた名曲、「未完成な僕ら」それをリアレンジするのではなく自分達二人の為に生み出された「t(w)o…」そこには「未完成な僕ら」のような焦燥感は全くなく、今の二人の充実ぶりが見て伺える。

僕はこれまでRe:valeのことをアイドルとして以上に、ミュージシャンとして捉えていたところがある。が、純粋にポップスとして作られたこの曲を聴いた時、彼らはミュージシャンでありながらアイドルという稀有な存在なのだと思わされた。

自分がどんな楽曲を作りたいかというエゴ以上に、沢山の人々に共有してもらえる想いを楽曲に込めるプロフェッショナルな作家としての姿。そして、それを自らのパフォーマンスで人に伝えることができる演者としての姿。それら両方の姿があるからこそ、Re:valeは強い。

BLACK OR WHITEではIDOLiSH7が「Mr.AFFECTiON」で総合優勝まで掻っ攫うかと思ったが、そうはならなかった。「Mr.AFFECTiON」も「Bang!Bang!Bang!」も確かにめちゃくちゃに格好良い。だがBLACK OR WHITEは国民的な番組だ。老若男女問わず幅広い層の支持が必要なはず。だからこそ「t(w)o…」でのRe:valeの総合優勝は納得だった。

音楽家としての成長

今回のシングルでは、それぞれの楽曲が発表された順番にもしっかりとRe:valeの進化の過程が見られる。「永遠性理論」では彼らが元々得意としていたバンドサウンドにブラスを加え、華やかさや爽やかさを表現した。

次に発表された「Re-raise」ではそこから更に踏み込み、よりゴージャスな世界観を作り上げた。何よりも、これまでとは全く違うブラックミュージック的なアレンジで新しい姿を披露してくれた。

そして最後の「t(w)o…」では、更に幅広い層に聴かれる音楽性へ。楽曲の良さを活かすことを最優先にしたアレンジになっている。ウェルメイドでメロディがまっすぐに耳へ入ってくる上質なポップス。音楽家としての成熟だろう。

元々バンドマンとして音楽の道を歩み始めた千が、その後アイドルになり、メジャーデビュー後に更にコンスタントに楽曲を制作していく中で、どんどん成長している過程をそのまま見ているようだ。音楽家としての千は今まさに最盛期に入ろうとしてるのではないかとすら考えてしまう。

千が制作に没頭することが出来たのは隣にいる百の存在が大きいのだろう。作家として、アーティストとして千がやらなくても良いこと、やるべきでないことは百が自ら引き受けていったはずだ。逆に、千も百のような存在がいるからこそ生まれる楽曲がたくさんあったはず。

もし、自分が昔の千のバンドメイトだったとしたら、「Re-raise」や「永遠性理論」、そして「t(w)o…」のような楽曲を彼が歌っていることにどれほどの幸福を感じるだろう。僕はそんなことを想像してしまった。

「t(w)o…」という二人にとって大切な楽曲を経て、Re:valeはどこまででも成長していける。

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