2010年代ベストアルバム10枚+個人的お気に入りアルバム10枚
2019年12月6日 : MUSIC
2010年代の終わりまで残り1ヶ月を切った。
2000年代に入った時にも思ったが、2010年代という数字にはSF的な響きを感じる。実際には、宇宙の旅はまだまだ夢だし、車は地面を走っているし、僕には未だにロボットの友達がいない。
2010年から2019年までのベストアルバム10枚を選んでみようと思ったのだが、いざ考え始めると10年は長い。2010年にランドセルを背負ったピカピカの1年生はもう高校生。
音楽の聴き方も大きく変わった。CDやレコードで音楽を聴くのが当たり前だったのが、今ではストリーミングサービスでばかり音楽を聴いている。新譜の発売日に胸を躍らせながら大型CDショップに行ったり、ブックオフの格安中古盤コーナーで掘り出し物を探していた僕はもういない。
毎週、ストリーミングに追加される新譜を聴き切れる訳もなく、その圧倒的な数の力に押しつぶされそうな気すらする。バイバインで饅頭を増やし過ぎたのび太のごとく。限られた時間の中で音楽も聴きたいし、映画も観たいし、NETFLIXも観たい。もっと時間が欲しいよ、ドラえもーん。
と、無意味な話ばかりしてもしょうがないのでさっさと本題に入って2010年代のベスト10を書いてしまおう。ただ、10年という長期間の中から無理やり選ぼうとしているので、どうしても外せない作品だけでも10作品は簡単に埋まってしまう。
なので、もう10枚追加して、思い出補正もプラスされた超パーソナルなフェイバリットアルバムも選んでみた。こちらの方が自分の趣味が更に色濃く反映されている。世の中で名盤と言われる作品と、自分の趣味で好きな作品は重なったり、全く乖離したり色々だけど、そっちの方が人間らしくて素敵じゃない。
2010年代ベストアルバム
Frank Ocean / Blonde
Chance The Rapper / Coloring Book
James Blake / James Blake
Kendrick Lamar / To Pimp a Butterfly
Flying Lotus / Cosmogramma
Kanye West / My Beautiful Dark Twisted Fantasy
LCD Soundsystem / This Is Happening
The1975 / A Brief Inquiry into Online Relationships
Gil Scott-Heron and Jamie xx / We’re New Here
Travis Scott / Astroworld
2010年代フェイバリットアルバム
Yuck / Yuck
Mystery Jets / Serotonin
Cut Copy / Zonoscope
Deerhunter / Halcyon Digest
Kindness / World, You Need a Change of Mind
Future / Hndrxx
Bon Iver / 22, A Million
DIIV / Oshin
Iceage / New Brigade
King Krule / 6 Feet Beneath the Moon
と合計で20枚を選んでみたものの……、足りない。20枚でも足りない。10年間で何枚のアルバムが発売されたと思っているのか。
自分が聴く音楽のジャンルもシーンの変化に伴って変わってきている。2010年代前半は00年代からの延長で、インディーロックにまだまだ夢中だった。聴いたことの無いメロディを聴きたい、新鮮なサウンドを体験したい。そんな気持ちでこれまでの自分の守備範囲であるインディーミュージックを聴いていた。
けれども、自分が求めるような曲はだんだんと減っていった。その代わりに僕の興味はラップやR&Bへと移っていく。これまでは殆ど聴くことのなかったジャンルのサウンドは僕にとっては新鮮なものだった。そして事実、音楽シーンも2010年代半ばからはラップやメインストリームの音楽の方が刺激的になった。
未知のジャンルへ新たに手を出せたのはストリーミングサービスの影響も大きい。僕は石油王でもないし、投資でうまく稼いでいる訳でもないので、月々の音楽へ使える予算も限られている。その中で選ぶものはどうしても、これまで自分の好きだったジャンルが多くなる。そう考えると新しい音楽への出会いの扉を開いてくれたのはストリーミングサービスだったのかもしれない。
2010年代が終わり、2020年を迎える。世の中には緩やかに進化している面もあれば、急激に悪化している面もある。その中で相変わらず色々な音楽が生み出されていくだろう。社会の影響を受けたものもあれば、もっと根源的な衝動とリンクするようなものも。どちらのタイプも必要だし、そのどちらも僕は聴いていきたいと思う。
まだ僕には宇宙旅行を出来る見通しは立っていないし、空を飛ぶ車の購入予定もない、2020年になってもドラえもんが生まれるまではまだ90年以上ある。子供の頃から描いていた未来はまだ体験できていないけど、今の時代に生まれる音楽をリアルタイムに聴くことはできる。今はそれだけで十分だ。