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音楽って素晴らしいですね。2018年フェイバリットアルバム

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寒い。冬が寒い。ついこの間まで暑い暑いと思っていたのに気がついたらもう12月の中旬。月日の進み方は年々スピードアップしているのではないだろうか。先日、2018年の上半期ベストアルバム・ソングをブログに書いたと思っていたのにもう2018年のベストを書く時がきた。まぁ、誰に頼まれた訳でもないのだけど。

これまでは「ベストアルバム・ソング」というタイトルで書いてきたのだが、今回は「フェイバリットアルバム・ソング」にタイトルを変更したいと思った。というのも、ベストと言ったところで10作品挙げていれば10作品ともお気に入りの作品であり、そこに優劣は存在しない。聴きたい作品はその時の気分によって変わるものだからだ。

これまで書いてきたベストアルバムのブログでも無理矢理ランクづけをしてきたのだが、もうそんな無意味な事やめません?と僕の心の中の妖精が問いかけてくる。ということで、今回は順不同でお気に入りの作品を何とか10枚まで絞って書き上げることにしよう。心のコンパスを信じるのだ(シンドバッド)

※本記事では敬称を略しています。

国府達矢 / ロックブッダ

2018年の上半期ベストとしてブログにも記載したアルバム。初めて聴いた時にはその独特なリズム感・節回しなどに驚き夢中になり何度も聴きまくった。こんなに新鮮な感覚を与えてくれたアルバムは久しぶりで心から感動。

バンドアンサンブルも音質もこだわり抜かれており、3月のリリースから随分と時間が経つが未だに聴くたびに新しい発見を得ることができる。テクニカルな部分や感性など魅力は沢山あるのだが、一番の魅力はそういった部分を全て取っ払って何も考えずに聴いてシンプルにカッコイイ!とドキドキすることだろう。これぞ名盤。

Snail Mail / Lush

こちらも上半期ベストで一度ピックアップした作品。何度聴いても心に沁みるメロディと歌声が心を離れない。季節を問わず夕方になると聴きたくなり、何度も何度も繰り返し聴いているアルバム。

今回は10枚に入れなかったが個人的にお気に入りのChastityのような90sリバイバルのサウンドとは違い、90年代から地続きのインディギターサウンドをしっかりと受け継ぎ鳴らす姿が美しい。シンプルなアレンジだからこそ引き立つ曲の良さに今年は何回泣かされたことか。心の浄水器。

CHVRCHES / Love is Dead

CHVRCHESの3作目となるこのアルバムはとにかくエモーショナルなメロディがたくさん詰め込まれている。全13曲通してキャッチーな曲が並ぶこの作品は何度聴いても飽きずに楽しめる。

Bメロでメイベリーのボーカルがぐっとエモさを増す展開はCHVRCHESのカラーとして完成しているのではないだろうか。個人的に大好きなパターンなので、もはや条件反射のように涙腺から涙が出てくる始末。仕事中のBGMとしても考え事と程よい距離感を取りながら気持ちを盛り上げてくれるナイスな作品。

Let’s Eat Grandma / I’M ALL EARS

イギリスのティーンエイジャー二人組、Let’s Eat Grandmaの2ndアルバム。The XXやFRANK OCEANなども手がけたデイビット・レンチによるプロダクション。そしてThe Horrorsのファリスもプロディースに参加という豪華さ。

ゴリゴリにインダストリアルなサウンドと実験性、そこに最高なポップネスが振りかけられた素晴らしい作品。先が読めない展開で気づけば唐突なメランコリアの海に溺れかけている。楽しみにしていたフジロックの配信では予想外のユルさに心を打たれてメロメロに。この世には10代の頃にしか生み出せないアートがある。

Post Malone / Beerbongs & Bentleys

アメリカの白人ラッパーによる2ndアルバム。サウンドは今のUSポップスシーンど真ん中なトラップ以降のビート感が中心。CDジャケットが90年代を感じるタイポグラフィと鮮やかなイエローのカラーケースで最高。

元々メロディアスな音楽が好みなのでガッツリとラップをしている曲よりも今作くらい歌っている作品の方が聴きやすい。フジロックでも披露していた様に弾き語りの曲では曲自体の良さが引き立っている。また、現代的に低域を中心にしたサウンドプロダクションは耳馴染みが良く聴いていて心地よい。

Travis Scott / ASTROWORLD

自身の顔をモデルにした不気味なモニュメントのある寂れた遊園地に、子供たちが合成されたジャケットが印象的なアルバム。元々あまりラッパーに詳しく無い僕にとってTravis Scottはラッパーの中でもとりわけ“怖そうな人”だった。

しかし、このアルバムを一聴した瞬間にその印象は大きく変わった。1曲目「STARGAZING」では曲が終わったと思ったら急に全く別の曲のように変わる展開に驚かされ、他の曲でも予定調和は常に避けられている。音楽シーンにとってトラップが当たり前になったからこそ、そこに留まらずに進化を選ぶ。シーンの最先端モデルか。

BTS / LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’

大人気BTSのLOVE YOURSELFシリーズ完結アルバム。これまで出たLOVE YOURSELFに収録されていた曲がリパッケージされたある意味ベスト盤。と言っても僕は元々詳しいわけでは無いのでいまWeb上を検索して知った。

僕がBTSを聴き始めたきっかけは名曲「FAKE LOVE」ビルボードチャート1位を獲ったというニュースがきっかけ。非常にミーハーなものだった。なんだかんだで今年一番聴いたアルバムかもしれない。色々と政治的な問題が言われるがそれは作品とは全く関係のない話。全体のバランスも素晴らしい作品。

Georgia Anne Muldrow / Overload

「現代のニーナ・シモン」とも呼ばれているらしい女性ミュージシャンの最新作。個人的には今回の作品で彼女の存在を初めて知ったのだが、その歌声と曲の格好良さに一気に魅了された。

鬼才Flying Lotusのレーベル「Brainfeeder」の新作というのと、なんとなく「Bitches Brew」的な魔力を持ったジャケットに惹かれて聴いた作品。「Brainfeeder」らしいビートミュージックと彼女の歌声の相性がぴったりでズブズブとその音楽に沈み込んでしまう。これはライブで聴いたら凄いだろうなと妄想。

The 1975 / A Brief Inquiry Into Online Relationships

バンド形態のグループとしては今一番好きなThe 1975の待望の新作。2作目に続いて相変わらずのタイトルの長さはともかく作品のクオリティは安定の素晴らしさ。いわゆるロックなフォーマットに縛られすぎない音楽性が最高。

80sポップスからの影響をベースにした彼等の個性はそのままに、これまでの作品よりも更に幅広い曲調を楽しむことができる。ただのノスタルジックな作品や雑多な印象にならないのは曲自体の良さと、現代的なポップスのテイストを貪欲に取り入れているからでは無いだろうか。今の気分だと今年一番好きなアルバム。

七尾旅人 / Stray Dogs

ずっと大好きなアーティスト七尾旅人の最新作。CDアルバムという形態では前作「リトルメロディ」から6年ぶりの作品。待ちに待っていたファンの期待を全く裏切らず今作も名曲ぞろいの名盤。

昔から彼の産み出すメロディが大好きなのだが、今作でも1曲目「Leaving Heaven」から温かみのあるメロディに包まれて優しい気持ちになる。どの曲もしっかりとした芯があり一聴しただけで心に残る素晴らしい「歌」。生活に寄り添ってくれる大切なアルバムがまた一枚増えた。これらも長く聴き続けたい一枚。

Spotifyなどのサブスクリプションサービスのお陰で、ほとんどの聴きたい作品はリリースと共にすぐに聴けるようになった。新しい音楽を聴きたいという気持ちがあればワンクリックで世界は広げられる。過去の名盤にも気軽にアクセス出来る世界でアーティスト達は作品を生み出している。

国内のSpotifyで聴かれる音楽の多くは90年代プレイリストなど過去のものが中心らしい。何を聴きたいのかは人によって異なるものなのでそれを否定するつもりは全く無い。それでも僕は今の時代だからこそ生まれる新しい曲達を聴いていたい(もちろん過去の作品も聴くけども)

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