何度だって聴きたくなる。個人的オールタイムフェイバリットアルバム10選

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ある季節になった時、ある気持ちになった時、どうしようもなく聴きたくなるアルバムが何枚もある。

これまでに出会ったアルバムは沢山あるのだけど、その中には一度聴いただけでもう聴かなかったアルバムもあれば、ある期間に集中して何度も繰り返して聴いていたアルバムもある。

サブスクリプションの時代になり、CDやアナログ、カセット(もしくはMD?)を所有していなくても好きな音楽を好きなように聴くことができるようになった。それは音楽の単位がアルバム単位から曲単位になり、好きな曲だけを並べて聴けるようになったということだ。

好きな曲を並べてプレイリストを考えるのは楽しい。この曲の次にこれを並べる流れはヤバい、このアーティストとこのアーティストを並べるのはこれこれこうこうふにゃふにゃで、とウンチクを語るのもある意味楽しい。それは分かる。というかやってる。それでも不意に、どうしようもなくアルバムとして聴きたくなる作品が誰にでもあるんじゃないだろうか。僕にとってのそんなアルバムを10枚挙げてみることにした。


Radiohead / KID A

これまでの人生で、一番多く聴いているであろうアルバム。毎年、肌寒くなってきた頃に無性に聴きたくなるので、そんな時には暖房はつけずに冷たい空気の中で聴く。もしくは夜中だったり、気分が落ち込んでいる時に聴いたりする。

僕は新しいイヤホンやヘッドホンを購入した時に、音質の判断を「KID A」でしている。基準がこの作品になっているので、アルバム1曲目「Everything In Its Right Place」の最初のオルガンの音でイヤホン・ヘッドホンの良し悪しを決め付けている。

Radioheadの作品は好きなアルバムばかりなのだが「KID A」だけは何故か僕の中で特別な作品になっている。魔力のようなものが宿っているのだろうか。このアルバムが出た頃の僕は学生で、ナンセンスなFlashアニメーションを作っていた。ひたすらこのアルバムを聴きながら、学校に泊り込みまでして作ったアニメーションは全く無意味で拙く「KID A」からの影響が何も無く驚いた。

American Football / American Football

この作品も秋の始まりなどの肌寒い季節に聴きたくなるアルバム。家の中で聴くのは勿論、散歩しながらイヤホンで聴いていると無性に切なくなって涙目で歩いていることがある。不審者だ。

2016年にまさかの2作目が出るまでは、American Footballの唯一のアルバムだったこともあり、伝説的な作品としてシーンに君臨していた。エモシーンのみならず音楽シーンに燦然と輝く名盤であるこの作品はギター、ベース、ドラム、トランペットなど楽器の一音一音から感情が溢れ出てくるようだ。

2作目や2019年にリリースされた3作目も勿論素晴らしいのだけど、1作目にはその当時にしか作れなかった青春時代特有の瑞々しい感情が完璧に収められている。彼らが新作を作ってくれるようになったのは喜ばしいことなのだが、1作目はあまりにも特別すぎて結局このアルバムばかりを聴いてしまう。

Lou Reed / Berlin

ルー・リードのソロ3作目であるこのアルバムも、曇りの日や雨の日、静かな時間を過ごしたい時に薄暗い部屋で聴きたくなる作品だ。そんなのばかり。

東西が分断されていた時代のベルリンを舞台に、ひと組の男女の物語を全10曲で描いたコンセプチュアルなアルバム。曲単体での素晴らしさは勿論、アルバムをトータルで聴いた時のストーリーの描き方が完璧で、まるで1本の映画を見ているような気持ちになる。

内容は1人の男と娼婦の関係を描いた悲劇的なストーリーなのだけど、ルーの落ち着いて優しい歌声で語られる事によって不思議と心は安らぐ。とは言っても、アルバム後半「Caroline Said II」以降、本格的に物語が辛くなってくるとどうしても涙が出てきてしまう。ポップミュージック以上にアート作品なのかもしれない。

My Bloody Valentine / Loveless

言わずと知れたシューゲイズの聖典。スタジオに延々と引きこもって作り続ける事により、その制作費でクリエイションレコーズを潰しかけたという色々な意味で伝説的な作品。

80年代末〜90年代初頭のオリジナルシューゲイズはもちろん、00年代以降に巻き起こったシューゲイズリバイバルで生まれた名盤は数あれど「Loveless」の域にまで達した作品は皆無。その圧倒的なサウンドスケープと、メランコリックなメロディはいくら真似しても結局真似にしかならない。

この作品に関しては、季節や自分の気持ちなどの変化に関わらず唐突に聴きたくなるので常備薬として必須。いや、My Bloody Valentineのサウンドは聴く以上に浴びるものなので、もはやシャワー感覚。

The Stone Roses / The Stone Roses

永遠にキラキラと輝き続ける素晴らしき1stアルバム。あまりにキラキラしているのでもはや眩しい。そんな奇跡的にエバーグリーンなサウンドをどうしてもたまに摂取したくなってしまう。

ジョンのギター、マニのベース、レニのドラムが生み出すグルーヴの上に乗るイアンのヘロヘロなボーカル。そのヘロヘロさが最高。もし万が一、イアンの歌がめちゃめちゃ上手く、圧倒的な歌唱力で歌い上げてたら彼らはスペシャルなバンドにはならなかった気がする。

バンドにとって友情物語はとても大きな要素だと個人的には思っている。だからこそ友情が薄らいだ中で生み出された2ndアルバムが悲しい。2016年に再結成してリリースされた「All For One」も良かったけど、1stアルバムには2度と表現できないマジックが詰まっている。

Prince / Purple Rain

ポップミュージック史における数多くの偉大なミュージシャンの中でも天才中の天才プリンス。数多くリリースされた彼のアルバムの中でも最も有名であろうアルバム。

ノリノリでイケイケな「Let’s Go Crazy」で始まるアルバムは、様々な音楽をごちゃ混ぜにしてプリンスとしか言いようの無いサウンドを鳴らしながら進んで行く。アルバムは終盤の超名曲「I Would Die 4 U」から「Baby I’m A Star」の流れで最高潮に盛り上がりラストの「Purple Rain」で大円団。

全10曲、43分という非常に聴きやすいサイズ感もあってふとした時につい聴いてしまう。「Purple Rain」が終わると、またアルバムを最初から聴きたくなるので、感涙しながら再生ボタンを押してぐるぐると永遠に聴き続ける現象が割と起こる。

Jimmy Eat World / Clarity

USエモシーンを代表するバンドJimmy Eat Worldといえば「Bleed American」が最初に出てくる方が多いのかもしれなけど、個人的にはこの「Clarity」が好き。

「Bleed American」は曲ごとの個性もはっきり分かれていてポップで素晴らしいのだけど、「Clarity」の全編にわたって弱々しさが漂っている部分にどうしても惹かれてしまう。根暗なのかもしれない。

その万能さゆえにあらゆるシーンで頻出するエモいという言葉だが「Clarity」や上記した「American Football」にはエモい、というポップなワードでは処理できない感情が込められている。これらの作品をエモい、と片付けられないような人々と朝まで語り明かしたい。

James Iha / Let It Come Down

90年代オルタナティブシーンを代表するSmashing Pumpkinsのギタリスト、James Ihaのソロ作品。ギタリストのソロ作品というとあまり良い作品がパッと思いつかないのだけど、このアルバムは本当に素晴らしい。

バンドでの演奏時に暴力的な轟音を撒き散らしている彼と同一人物とは思えないほど、ソフトでセンチメンタルな表情を見せてくれる名盤。どの曲も暖かいメロディと優しい歌声で聴き手を包み込んでくれるよう。

天気の良い日に運転しながら聴いていると最高に気持ちのよいアルバムなのだけど、後半に入っている「My Advice」という曲が好きすぎて、夕暮れ時に聴いていると気がつかないうちに涙目になり、前方が見えづらくなって危険にさらされることもある。運転時には注意。

Prefab Sprout / Steve McQueen

昔からメロディの良い音楽が好きなのだが、Prefab Sproutはどの曲も素晴らしいメロディばかり。中でも2ndアルバムの「Steve McQueen」は全曲、耳に残って離れない名曲揃いだ。

メロディの良さにもポップで明るく口ずさめるような曲もあれば、同じフレーズをリフレインして忘れられなくなる曲もある。このアルバムの曲はどれも少し切なさがあって、いつ聴いても心を締め付けられるような気持ちになる。

年代的に全然リアルタイムではなく、数年前に存在を知って初めて聴いたのにも関わらず、好みのど真ん中すぎて、すぐに個人的なファイバリットになった。ここまで書いてきて全体的に切ないテイストのアルバムが多いのは、僕の個人的な趣味なのか、いや日本人がそうなのかもという無理矢理な全体主義的な括り方。

Ego-Wrappin’ / 満ち汐のロマンス

今回10枚選んできた中で、唯一の日本人ミュージシャンの作品。もちろん邦楽作品でも好きなアルバムは沢山あるのだけど、今回のテーマである何度だって聴いてしまう率で言うと、邦楽では「満ち汐のロマンス」が一番多いのかもしれない。

発売当時、ラジオで「サイコアナルシス」か何かを聴いてThee Michelle Gun Elephantが大好きだった僕は、そのロックンロールともサイコビリーともカテゴライズできない格好よさに心を掴まれて、すぐに地元のレンタルビデオショップ・ビデオインアメリカで「満ち汐のロマンス」をレンタルしてきた。

再生ボタンを押して最初のサックスを聴いた時に、頭の中は「サイコアナルシス」のイメージでいっぱいだったのでそのギャップに混乱した。しかし聴いているうちにそれまであまり触れてこなかった音楽に夢中になり、気づいたら大好きなアルバムになっていた。今でも頻繁に聴く愛聴盤。

まとめ

大好きなアルバムがたくさんある中でも、ふとした時につい聴きたくなってしまう作品を10作品挙げてみた。どの作品も個人的な思入れが強くあり、何度も何度も聴いている作品ばかり。

しかし、いざ挙げてみると結局、世の中的に名盤として讃えられている作品ばかりなので、やっぱり名盤というのはしっかりとした根拠があるものなのだと改めて感じた。

今回選んだ10作品は2019年の今の段階での10作品なので今後これも変わっていくだろう。それこそ挙げ忘れている作品も多々ある気がする。オールタイムフェイバリットと大風呂敷を広げた割には、大好きなアルバム並べましたという感覚に近いのかもしれない。

最初から最後まで全くもって個人的な、ただの日記。

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