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ピクサー映画のインサイド・ヘッドがどうしようもなく凄い!

ピクサー映画のインサイド・ヘッドを観ました。ピクサー作品は好きな映画ばかりだけど、やっぱりインサイド・ヘッドも素晴らしかった。

これまでのピクサー作品でもトイ・ストーリーなど、子供の頃の気持ち・考えていた事を見事に表してくれた作品が多かったのですが、インサイド・ヘッドはまさにそこ。心の中(インサイド・ヘッドだから頭の中?)の動きを実に丁寧に描いてくれていました。そんな部分を物語として作品化できるの?ってところまでとてもわかりやすく、かつコミカルに作られていてかなりとんでも無い作品だと感じました。

以前、吉本隆明さんが太宰治の人間失格について「優れた作品は大多数の人間に、この感覚は自分だけが知っているもののはずなのに、と思わせるものだ」みたいな事を言っていたと思います。僕は人間失格を読んだ際に、まさにそれを感じて一気に太宰治の作品にのめり込んで行きました。

そう言った作品はどちらかと言うと心の奥の方の「エグさ」「あまり人前には出してはいけないような感覚」が出ているものの方が多いのかと僕は思っていたのですが、インサイド・ヘッドはアニメーションという手法で可愛らしいキャラクターを用いる事によって「エグさ」を感じさせず、より多くの人に受け入れられたんじゃないのかと思いました。当然、全世界に公開するピクサー映画と太宰治の作品を比べてもしょうがないとは思いますが、心を動かされる度合いにしてもより、多くの人の心を動かすんだと感じたわけです。

本当に素晴らしい作品でした。子供の頃の「あの感覚」や、今生きていて感じるような感覚まで描かれていて、芸術(あえて)というのは人間自身の本質的な部分までを表現出来るんだと改めて考えさせられました。

むしろ、映画・音楽・物語・絵画・漫画などなど、そこを描く事こそが本来大切な事であって、技術は表現をするのに必要な道具でしかないのだと思うわけであります。頭で描いたイマジネーションを表現できる分だけの技術があれば良いのではと個人的には思ったりもします。(この辺りの理由で速弾きなどを目的としたメタルだったりは苦手。もしかしたらまだその奥の哲学に気づいてないだけなのかもしれませんが。)

インサイド・ヘッドのコメディ部分もとても面白くて、あれって他のアメリカのアニメ(シンプソンズとか)でも得意な部分だなって感じます。ある意味ではいわゆる「あるある」的な部類になるのかも。

とにもかくにも僕はインサイド・ヘッド大好きです。「ヨロコビ」も「カナシミ」も「イカリ」も「ビビリ」も「ムカムカ」も全員を肯定して、鮮やかな色合いの人生を生きていきたいもんです。

みよ子の頭の中もあんな感じなのかしら。

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