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NO DOUBTから見えてきたアーティストRe:vale

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アイドリッシュセブン内におけるトップアイドルと言えば間違いなくRe:valeだろう。そんな彼らの新曲「NO DOUBT」が発売された。

ゲーム内では既にプレイ出来るこの曲は、Production I.Gが製作した超ハイクオリティなMVがYouTube上で公開されており、これまでにも1番〜2番と聴く事ができた。(関係ないがProduction I.G製作でMissionを劇場版化して欲しいと思っているのは僕だけではないだろう)

これまで何十回もYouTubeで聴いてきたこの曲だがフルバージョンは一味違った。NEXT Re:valeで千本人が語っていた落ちサビ辺りの展開が加わることで曲全体にメリハリがつき、よりドラマティックになっているのだ。

2番のサビ終わりからの間奏で鳴る、欅坂46の大名曲「不協和音」を思い起こさせるヒリヒリとしてスリリングなシンセサウンドは、王者の余裕を感じさせるこの曲中で最も感情を高ぶらせるパートだろう。

そしてそのまま展開する、悲痛さすら感じさせる繊細な落ちサビから堂々とした大サビへの盛り上がりはRe:valeにしか表現できない絶対的な力強さとドラマが生み出されている。

Re:valeの楽曲の中でも特に絶対的な存在感を持った「NO DOUBT」だが、これはイントロにも顕著なロングトーンを効果的に多様しているところがキモではないだろうか。Bメロの頭で弾きっぱなしたギターはプロフェッショナルの余裕を感じる。楽曲中ずっと必死にギターをバッキングし続ける必要など彼等には無いのだ。

ストイックなトラックと自由に鳴らされるギターから構成されるこの楽曲は、もはやRe:valeサウンドの一つの到達点でもあり、今後の彼らの代表曲ともなるだろう。

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カップリングの「太陽のEsperanza」はスパニッシュギターが印象的に鳴り響く情熱的なラテンナンバーだ。パーカッションやホーンも所々に取り入れた曲調はこれまでのRe:valeのモダンな印象からは離れたもので最初は少し驚かされた。

しかし、驚きはしたものの違和感は不思議と感じなかった。なぜかと考えて過去の曲を聴いているとすぐに気がついた。インディーズ時代の彼等の代表曲「未完成な僕ら」でも哀愁を帯びたスパニッシュ風ギターフレーズは既に取り入れられていたのだ。

もともと持っていた幅広い音楽的要素をよりストレートに表してもRe:valeのカラーは崩れないという自負があるから「太陽のEsperanza」ではより思い切ったアレンジが出来たのではないだろうか。

そして、今回の2曲を聴いて改めて確信したのは、やはり千にとってはギターという楽器がとても重要という点だ。Re:valeサウンドの特徴としてまず思い浮かぶのがモダンなダンスビートと強く歪ませたディストーションギターの組合せというスタイルだ。

これはバンド時代からメンバーにドラムとベースが固定されず、自分達で作ったトラックに合わせて演奏する「セカオワ方式」でライブを行っていたところが土壌になっているのだろう。もし彼等がアイドルへ転向せずにバンドとして活動していたらポストBOOM BOOM SATELLITESとしてブレイクしていてもまったくおかしくない気がするが、それはあくまでタラレバの話だ。

ところでRe:valeの楽曲でのギター演奏は誰が行なっているのだろうか。レコーディング時にプロのスタジオミュージシャンに演奏をしてもらっているのか、それとも旧知の仲のギタリストがいるのだろうか。僕はきっと千自身が弾いているのではないかと思っている。

アイドルとして踊りながら歌っている今でもプレイヤーとして演奏する事は好きなのだろう。そう考えながら彼らの楽曲を聴くとギターが本当に生き生きとしているように感じる。

きっと「DIS ONE」のギターを前面に押し出したアレンジも原曲から大きく変えているはずだ。時代的なものを考えてもゼロが活躍していた時代の音としてはそぐわない。

Re:valeはアイドルという形態をとりながらも自分たちで楽曲制作を行うアーティストとしての側面も持っている。そこから生み出される楽曲は所謂J-POP然とした曲とは違い、良い曲を作りたいという極めて純粋な想いから生まれた作品としてリスナーの耳へ届く。

だからこそ、トップアイドル/アーティストとしての存在感に説得力があるのだし、僕のような男マネージャーの心も掴むのだろう。

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