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激私的!2017年ベストアルバム & ベストトラック

2017best_album

ベストアルバム2017

①Lina Tullgren / Won
僕は昔から歌のうまさや演奏テクニックにほとんど興味が無い。それ以上にメロディやコード感や歌声など何か分からないけど、音楽に心を揺さぶられる感覚を求めているところがある。そういった意味で2017年に最も僕の心をぐらつかせたのはLina Tullgrenだった。超ローファイなサウンド、所謂うまい演奏とは程遠いプレイ、僕の感覚を振り切って遥か先へ行っているセンスと佇まい。何よりもパーソナルな響きを感じさせる美しい楽曲。シンプルでどこかギリギリな感じなど全てが個人的なツボだった。

②Future / HNDRXX
個人的な上半期ベストアルバムで一位だったFuture。ほとんどヒップホップを聴かずに生きて来た僕がTHA BLUE HERBの「Sell Our Soul」以来にハマったヒップホップアルバム。トラップに興味を持ってから色々なアーティストを聴いてみたが断トツでこの作品が好きだった。アルバム全体に漂うムードはどこか静寂を感じさせながらも所々にキャッチーなトラックも入って来る。音としては全く違うのだが個人的に大好きなシューゲイザーに似たムードを感じて良く聴いていたのだと自己分析。

③Jay Som / Everybody Works
90年代オルタナティブを彷彿とさせるインディギターミュージック。2017年の後半、個人的な趣味がギターの入ったバンドサウンドに回帰した事もあってよく聴いた作品。2017年のベスト一位に選んだLina Tullgrenと並んで美しいギターサウンドの鳴る音楽。単純な90sオルタナリバイバルでは無い優しく歪んだギターの響きが心地よく鳴る。大好きだった初期Jimmy Eat Worldと同じくクラスでもパッとしなかった雰囲気の人が奏でる美しい音楽が相変わらず好きだ。

④Cashmere Cat / 9
空間を埋め尽くさないミニマルな音作りのトラック郡が高いアート性を感じさせるCashmere Cat。モダンなエレクトロ・ビートミュージックにロマンティシズムを振りかけた楽曲たちは美しく、彼女のスタイルとして完成されている。アート性や美しいと言う表現を使ったが、フィーチャリングアーティストを起用した楽曲はどれも見事にポップでその辺りのバランス感覚が本当に見事だと感じた。

⑤ドレスコーズ / 平凡
毛皮のマリーズ時代はその少しイロモノ的な佇まいや方法論もあり僕は彼らの音楽にハマれないでいた。たまたまラジオで聴いた彼らのラストアルバムからの1曲「Heart of gold」で一気に心を掴まれ、ドレスコーズは1stからずっと聴いていた。中でも最新作の「平凡」は最高だ。80年代のニューウェイブを彷彿とさせるホワイトファンクスタイル。ロシア構成主義を意識したアートワークも格好良くトータルで素晴らしいアルバム。2017国内作品ではトップ。

⑥Beck / Colors
90年代オルタナの時代から活躍するBeckは僕が海外の音楽を聴き始めた頃からずっと居た。もちろん当時から彼の音楽を聴いていたがピンポイントでツボにはまることは少なかった(Sea Changeはずっと好き)。それは恐らく自分の中で聴きたいムードとのタイミングが合わなかっただけなのだと思う。今年リリースされた本作は初めてタイミングがぴったりと合い「Beck最高!」と大声で言えるくらいに好きだった。

⑦The XX / I SEE YOU
The XXは音・ビジュアル共に徹底しされたミニマリズムが格好良くずっと好きなバンドだ。トラックメイキングの中心になっているJamie XXの関連作品もどれも好きで、ここ数年の自分の中での理想的な音は彼らのような深みのあるものだった。ここで重要なのはバンドという点で、やはりJamie XXのソロとは違う。そんなバンドである事の魅力が今作は最も詰まっているように感じた。それは作品全体に流れるポップネスにも表れている。

⑧Mura Masa / Mura Masa
日本における刀のイメージはもはやイケメン男子が牛耳っていると言っても過言では無いが、イギリスにはMura Masaがいる。余計な音を使わないミニマルなトラックとずっと心地よいBPMで続く最高に耳馴染みの良いアルバム。アートワークも含めてセンスの良さとはこういう事なんだと感じる。ところで僕は何回ミニマルという言葉を使っているんだと思ったが、なるほど自分の好みで大きく占めている要素の一つがミニマリズムなのだと気づいた。

⑨The National / Sleep Well Beast
これまでの作品はほとんど聴いていないThe National。なんとなくで聴いてみた新作が想像を遥かに上回る素晴らしさで感動しこれまでの己の聴かず嫌いを反省した。もっと大味でアメリカンな楽曲をイメージしていたのだが、全くそんな事は無く繊細な曲達は完全に自分のツボのそれだった。聴かず嫌いを猛省した僕は過去作を聴いていってみようと思いながらもまだ手を出し始めていない。しばらくは今作を聴いていたいのだ。

⑩Trigger / Regality
スマートフォン向けリズムゲーム「アイドリッシュセブン」に出てくるグループTriggerの1stアルバム。これまで散々、他の記事で書いてきた様に「アイドリッシュセブン」は楽曲が素晴らしい。全くゲーム用に製作されたとは思えない位に本気の楽曲達なのだ。今作でも小室哲哉の提供曲を含む全楽曲に気の緩みがない。下手なJ-POPでは太刀打ちできない程に洗練されている。シンプルに格好良いのだ。

ベストトラック2017

①Beck / No Distraction
カラフルでポップなアルバムの中でも個人的なツボに最もはまった曲。ビート感、展開、メロディどれを取ってもスーパー好み。アルバム真ん中にいるこの曲の存在感は大きい。

②Cashmere Cat / Quit (feat. Ariana Grande)
シンプルなコードに乗る美しいメロディを歌うAriana Grandeの声がぴったりで、切なく旅情性があり文句なしに名曲。めっちゃ好き。

③小沢健二 / 流動体について
2017年まさかの復活したオザケンの新曲はまさかのオザケン丸出し。「フクロウの声が聞こえる」もそうだが歌詞のスケール感が圧倒的に他アーティストと違う。

④Pale Waves / There’s Honey
Dirty Hitからの新人バンドの1stシングル。ゴスなビジュアルと裏腹に80sギターポップとThe1975を掛け合わせたサウンドは最高にツボ。

⑤Future / Use me
アルバムの中でも一際、美しいと感じた楽曲。これまで自分が持っていたヒップホップのイメージを大きく覆してくれた一曲。

⑥Trigger / In the meantime
埋め込んだYoutubeではサビのところしか聞けないが個人的に一番好きなのはイントロ〜Aメロの繊細なトラック部分。これは格好良い。

⑦欅坂46 / 不協和音
歌詞・トラック・MV全てが格好良かった。アイドルというカテゴリーからは一歩出ている様に感じるほどの存在感はさすが。

⑧Alvvays / In Undertow
個人的に大好物なサウンドな上に、曲が展開しても展開しても更に良くなっていく凄い曲。アルバムも素晴らしかったがこの曲は特に好きだった。

⑨HMLTD / To the Door
ビジュアルの強烈さに負けないくらいインパクトのある楽曲。エネルギー量が凄すぎて一聴しただけで一気に持って行かれた。Late of the Pier以来のテンション。

⑩Mondo Grosso / ラビリンス(Vocal. 満島ひかり)
久しぶりのMondo Grosso名義のアルバムから、満島ひかりをフィーチャーして世の中の話題をさらった楽曲。相変わらずの大沢伸一ぶりがとても好きな曲。

2017年ベストアルバムについての序文はコチラ

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