ŹOOĻの楽曲から見るアイドリッシュセブンプロジェクトの凄み。

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スマートフォン用アイドル育成ゲーム「アイドリッシュセブン」は第3部に入り、新たなグループ「ŹOOĻ」が登場した。

彼らはいわゆる敵役のグループで、これまでアイドリッシュセブンの世界にはいなかったタイプのキャラクター達だ。これまでに登場していたTRIGGERやRe:valeの様に、共に切磋琢磨するライバルや憧れの存在ではなく、現時点では完全に敵対している(嫌なやつら!)

そのŹOOĻのデビューシングルが発売されたのだが、表題曲・カップリング曲共に彼らの雰囲気が良く現れており悔しくも格好いいのだ。そこで、つらつらと彼らの楽曲について書いてみる事にした。

そもそもアイドリッシュセブンに出てくる曲は全てクオリティがもの凄く高い。ジャンルの近い他のアイドルゲームをやってみたりしたのだが、他ゲームの楽曲がアイドルという枠内で作られているのに対して、このゲームの曲は明らかに枠から外れている。

音楽プロデューサーkz氏を始め、実際にJ-popのクリエイターが多数参加している事からも音楽ゲーム用ではなく一般的に聴かれるような曲作りを志向していることが分かる。

その最たるものであり、象徴的なのが先日Triggerの新曲として発表された楽曲「Daybreak Interlude」の作曲家として小室哲哉氏を起用した点であろう。およそ日本人の大半が知る超大物の名前が全国の大型ビジョンで発表された時にはどよめきが起こった。

ビッグネームの起用はアイドリッシュセブンプロジェクトの本気を伝えるのに十分過ぎるほどだった。アイドリッシュセブンは他の2次元アイドルを意識している訳ではなく、アイドリッシュセブンという一つの素晴らしい作品を生み出そうとしているのだろう。

課金を意識した商売気質であれば小室哲哉氏を起用する理由などどこにもない。もっと“しんどい”キャラカードを作ったりガチャを引きづらいシステムを作った方がよっぽどいい。

さて、だいぶŹOOĻでは無い話になってしまったがアイドリッシュセブンの楽曲への力の入れ具合を伝えたかったのでご容赦いただきたい。ここからŹOOĻのはなし。

ŹOOĻのデビュー曲である「Poisonous Gangstar」はスローなビート感で彼らの「悪役ぶり」を見事に表現した曲だ。

実は僕は、始めにゲーム中でこの曲を聴いた時にはそこまで引き込まれた訳では無い。むしろ漠然とイメージしていた感じではあったので納得感を得た。だが、先日シングルがリリースされたのを機にイヤホンでちゃんと楽曲を聴いてみたら印象が大きく変わった(僕は普段イヤホンを使わずにゲームをプレイしている)

まずイヤホンで聴く事でドーンと強めのサブベースが入っている事を知った。ゲーム中でもチキチキと鳴るハイハットは聴こえていたのだが、サブベースまでしっかりと聴こえる事でよりトラップ的な印象が強まった。

サビ前のマーチング風スネアドラムはEDM的に曲を盛り上げる展開としてだけでなく、曲全体の統率感・悪の組織感を表す要素としても機能している。そしてサビ直前の恐らくピアノの低音をクレッシェンドさせた音がサビへの盛り上がりを作る。

また、Aメロに顕著な音数を少なくしてスカスカにしたサウンドプロダクションはモダンな印象を与え、ŹOOĻの存在をとても現代的で新しいアイドルとして印象付ける。そして音の厚みは大サビに向かうとともに厚みをまして行き、否が応でも盛り上がりが作られる。

カップリング曲の「Look At」は表題曲と同様に「悪役ぶり」を出している曲だが、よりロック色が強い。しかも90年代後半〜00年代初頭を感じさせるロック。これは明らかに狙っているのだろう。

特に思い出されるのはzilchやOblivion Dustなど、当時のビジュアル系シーンとも関わりを持つ日本のオルタナティブロックバンドだ。彼らはUSオルタナティブへの憧れを鳴らしていた。

「Look At」で鳴らされる音はとても彼らのサウンドに近い。BPMはミドルテンポ。地を這う様な低音でゴリゴリとしたベース。空間系エフェクトを多用したアルペジオと思い切り歪ませたヘビーなギターリフ。効果的に入るスクラッチサウンド。ボーカルも当時のラップメタルを感じさせる。

何よりも日本のオルタナティブロックバンドの影響が決定的だったのは、ワーミーペダルを多用したギターソロだろう。海外ではJack Whiteのヒステリックなギターサウンドに欠かせないエフェクターだが、日本では90年代後半〜00年代初頭のビジュアル系シーンを象徴するエフェクターだ。

曲の展開としてはイントロ〜Aメロでハードな印象を与える。Bメロでメロディアスな流れを作り、サビでメジャーコードに転調する事で開放感や高揚感を出してŹOOĻがアイドルという事を思い出させる。

両方の楽曲について言える事なのだが、狗丸トウマと亥清悠のツインボーカルのコントラストがとても効果的だ。がなる様な狗丸トウマと甘い声の亥清悠の掛け合いはやはり格好良いと思ってしまう(アイナナマネージャーとしては悔しいのだが)

今回は歌詞には触れず、あくまでŹOOĻのサウンド面についてくどくどと書いてみた。書いてみて思ったのは、楽曲を含めたアイドリッシュセブンプロジェクトのクオリティの高さだった。

Daybreak Interludeで小室哲哉氏の起用があった事で、個人的には今後いつ中田ヤスタカ氏が楽曲提供を行ってくれるかを密かに楽しみに待っている。

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