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CUT COPYがシングルを出したのでMODULARを思い出した

CUT COPY

オーストラリアのエレクトロポップバンドCUT COPYがしれっとニューシングル「Airborne」を出していた。アップルミュージックが取り上げてくれないので気が付かなかったのだがバンドのオフィシャルツイッターで知った。

確かにCUT COPYが最も勢いに乗っていたのは約10年も前のエレクトロブームの時だったかもしれない。当時の僕は、彼らも所属していたMODULAR RECORDINGSに夢中だった。キラキラとしたシンセサウンドとバンドスタイルのダンスビートが特徴のレコードレーベルだった。

VAN SHE, ARCHITECTURE IN HELSINKIなど所属バンドはみんな魅力的だった。中でもWOLFMOTHERをリリースした時には抜群のセンスを感じた。彼らは他のバンドのキラキラ感と真逆の男臭いオージーハードロックだった。

2000年代の初めロックンロールリバイバルの時にもTHE DATSUNSやTHE DARKNESSなど男臭いバンドはいた(THE DARKNESSはギャグだろうが)。僕は彼らにはのめり込めなかった。でもWOLFMOTHERは違った。それはやはりMODULAR RECORDINGSがリリースしたところが大きい。クラシックなアートワークも最高に格好良かった。

そんな個人的モジュラーブームの真っ只中、実はユニクロがMODULAR RECORDINGSとコラボレーションをしていた。ユクニロのTシャツレーベルであるUTが始まった時、第一弾の音楽シリーズの1つがMODULAR RECORDINGSだったのだ。

当時の僕は狂喜した。MODULAR RECORDINGSはレーベルでTシャツもリリースしており、どれも最高に格好いいデザインだった。レーベルのファンとしてだけでなくデザイン性でも魅力を感じていた僕は代官山にあるbonjour recordsで扱われている事を知りすぐさま向かった。しかし、MODULAR RECORDINGSのTシャツはその頃の僕にとってのTシャツに出せる金額を大きく上回っていた。僕は悔し涙にむせびながら帰路に着いた。

そんなMODULAR RECORDINGSのTシャツがユニクロで買えるのだ。大事件だった。当初販売していたのはその頃、原宿にオープンしたばかりのUTストアだけだった。

意気揚々と向かった僕はMODULAR RECORDINGSのロゴTシャツ、CUT COPYのグラフィックTシャツ、NEW YOUNG PONY CLUBのアートワークTシャツ(しかもエレクト脳になっていた僕が選んだのは鮮やかなレモンイエロー)を購入した。あまりに嬉しかったので、佐藤可士和さんがデザインしたボトル型のパッケージまでしばらく保管していた。

new young pony club

しかしその後、一般店舗でもUTが販売され、オフシーズンになると売れ残った大量のMODULAR RECORDINGSシリーズはワゴンセールになった。ファンとしては切ない気持ちだった。

そしてある日、ショッピングモールを歩いていた僕は向かい側から歩いて来る婦人のTシャツに目が止まった。ご婦人のTシャツはNEW YOUNG PONY CLUBだった。僕は何故かまた切ない気持ちになった。

今、MODULAR RECORDINGSのウェブサイトは閉鎖されているようだ。CUT COPYのクレジットを見ても表記がないので、レーベルが無くなってしまったのかもしれない。

久々に聴いたCUT COPYのニューシングルは相変わらずポップで最高だった。彼らはエレクトロブームが終わってからも数年毎に素晴らしいアルバムをリリースし続けている。彼らの音楽をこれからも僕は聴き続けていきたい。

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