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望月ミネタロウ「ちいさこべえ」が好きでしょうがない

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望月ミネタロウ最新作”ちいさこべえ”が面白い。いままで特に望月ファンだった訳ではなく”ドラゴンヘッド” “鮫肌男と桃尻女”くらいしか読んだ事はなかったのですが、Discover Japanの漫画特集で”ちいさこべえ”が紹介されていて気になり購入。たまらなく良かったので一気に出てる分だけ買いました。

原作が山本周五郎の時代小説で、現代に置き換えて描かれてます。山本周五郎の原作なのででストーリーは勿論良いのですが、個人的に大好きなのが人物の感情の描き方が絶妙な所です。人情と意地がテーマの根っ子になっているようで、1巻では拳をぐっとにぎるカットがよく出て来て、そういった意地だったりを表しているのかと思いました。

で表紙を見てもらえば分かると思うのですがファッションが素敵なんです。POPEYE的というか細かい部分にもの凄くこだわりがあって眺めているだけでも楽しめます。望月さんって元々グラフィックデザインをやっていたらしくて(Wikipedia情報)、構図やコマ割のテンポは勿論そういった洋服・小物の部分にも素晴らしいセンスが出ていてたまらないです。

主人公が放浪をしていた頃のシーンは、僕の大好きな”INTO THE WILD”の世界そのままで、勝手にそのあたりともリンクしてきて何ともいえず心がじわーっとしてきます。ちなみにここのバックパッカースタイルは最高。

こういった作品に触れると、あらゆる物事の知識っていうのは沢山あればあるほどいいなって感じるし、それをどうやって扱うかっていうセンスも大切だよなって思います。僕の大好きなクリエイティブディレクター水野学さんはセンスは知識からって言っていて、そう考えると何かをする時にまず大切なのは知識なのかなって感じます。ただ、知識を得ただけ(もしくは得たつもりになるだけ)になってしまうと物事を批判ばかりする落とし穴にはまってしまいがちなのかとも思います。

デザインに限らず知識・技術を得る事がゴールになってしまうと、本当にやりたい事・やる事が見えなくなってしまって、それはお金とそっくりかなって感じます。よく言われる事ですが、お金を得る事・貯める事が目的になってしまうと本当に大切なものが見えなくなってしまうのと同じなんだろうなって。

そういった部分でも「ちいさこべえ」には本当に大切な事が描かれていて、そこにまたぐっとくる訳です。

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