アニメ・アイドリッシュセブン個人的ツボ演出9選。後編

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TVアニメ「アイドリッシュセブン」の最終回、もう目と鼻の先じゃないか。本放送が終了してから時間が経った中で、JRの駅での広告などフィナーレに向かってしっかりと盛り上げて来るあたりが流石アイナナ。この記事もへどもど書いているうちに最終回が終わってしまうじゃないか。これじゃいかん。ゲームオブスローンズ観てる場合じゃない。と書き上げる。



<前編はこちらから>

キミと愛ドリッシュないと!

ミューフェスでの失敗からの再始動として始まったウェブ番組「キミと愛ドリッシュないと!」をアニメではたっぷりと堪能する事ができる。ゲームでは細かく描かれていなかった番組を実際にテレビ画面で見られるところは単純に楽しかった。実際にこのウェブ番組をしっかりと描いてくれる事で、この時の彼らの雰囲気や状況を擬似的に体感できるのは大きい。

ぐずぐずの雰囲気で始まる初回放送を始め、ウェブ番組ならではの感じでダラダラと行われるドミノ倒し(このシーンで陸が並べているドミノが赤じゃなくピンクというのもチクリとしんどい)、壮五の味覚クレイジーをさらりと出した料理コーナーもくすりとしてしまうが、何と言っても一番の見所はアイナナ警察だろう。

ガシャを引くたびにどんどん来てくれて全員余裕でSSRな上にスキルレベルもどんどん上がって行く事でおなじみの彼らだ。和泉兄弟の会話シーンは普通に笑ってしまうし、あの束縛ポーズまんまの陸に「おぉ!」と感嘆し、ナギはアレを着ている。まさかアイナナ警察を出して来るとは全く予想していなかったので粋なファンサービスだった。

ちなみに「キミと愛ドリッシュないと!」が描かれる第10話の始まりにはこれまで入っていなかった違法アップロードについての注意テロップが下に流れた。そのシーンではまさに動画のアップロードの話を一織がしており、ウェブ主体の回の最初にこういった気の利いた演出は個人的にツボだったりする。

実際に音が重なる事でより伝わる残酷さ

第三者の勝手な行動によってIDOLiSH7とTRIGGERそれぞれのグループを苦しめ、無駄な軋轢を生じさせてしまった「NATSU☆しようぜ!問題」。ゲームでストーリーをプレイしていた時から辛かったのだが、アニメになる事でこんなにも辛さが増すのかと思った。

そもそもここのエピソードへ向かう制作サイドの力の入れ方がエグい。アニメでここのシーンを放送する前日、まさに彼らが絶望を味わう場所の西武新宿ぺぺ広場にてメンバーパネル展示とレプリカ宣伝チラシの配布。そしてそこから見える位置、TRIGGERの「NATSU☆しようぜ!」が流される新宿YUNIKA VISIONにて厳選ライブシーン映像を放映。実際にこの場所へ行く事で路上ライブ会場とユニカビジョンとの距離感を把握できてしまう恐ろしい企画だ。

やっと7人全員でのデビューが決まり、デビュー曲になる「NATSU☆しようぜ!」を今まで応援してくれていたファンへ聴かせられる喜びと感謝を持って歌おうとするまさにその時。視界の先に入るのは自分達が今まさに歌おうとしている「NATSU☆しようぜ!」を歌うTRIGGER。もう歌えなくなるかもしれないからという大和の好判断の元、始まるイントロ。ワクワクしていたファンの間へ広がる困惑。

ここのライブで流している音と、YUNIKA VISIONから流れて来るややくぐもった音の混ざり方が実にきつい。距離感的に音が絶対的に混ざってしまうリアリティがあり、ぐぬぬ、、きついと唸っているうちにそのままエンディング。苦しめっぱなしで終わるパターン。実際にこの距離感を現場でバーチャル体験してもらう事でエグさを感じてもらおうという鬼の企画。まさに悪魔のVR ZONE SHINJUKUだ(褒め言葉)

いよいよ体調に支障をきたした雨

ミューフェスを楽しみにしていたように、楽しみにしつつも少し警戒していたシーンがある。MEZZO”とIDOLiSH7とを両立した活動での疲労・ストレスと、実家の問題によって壮五が倒れるシーンだ。

MEZZO”の不和がだんだんと大きくなる流れからの「環の収録すっぽかし事件」。この辺りの流れで出て来るキャラクターの人物像はゲーム以上に何とも言えない嫌な感じが増している。壮五の事を罵る番組プロデューサーは以前、TRIGGERに媚を売りまくっていたのと同じ人物だ。もしかしたらあの時、ミューフェスへの出演者として八乙女楽に紹介されたIDOLiSH7が本番でやらかしてしまった事が影響しているのかもしれないが、本当に嫌な言い回しで壮五を攻め立てる。

もう一方で、環を路地裏へ誘って行く利己的な自称MEZZO”ファン。これは個人的な予想ではあるが彼女は熱烈なMEZZO”ファンではなく唯のミーハーな芸能・アイドル好き(濃いめ)なのでは無いだろうか。前髪を止めたヘアピンがMEZZO”カラーで無くRe:valeカラーなのはその象徴で、彼女は芸能人だったら誰でも良いのだろう。大槻ケンヂ氏の本であまり呼び名のよろしくないそういった方々が出て来るがそういった類いじゃないだろうか。

そんな流れの中から第12話のラストシーン。色々な物事を自分で抱え込んでしまう壮五を勝手に自分とリンクさせている部分がある僕にとって警戒しながら観るべきラストシーン。出来るだけ俯瞰的に冷静に観ようと心がけていたのだが、鬼であるアニナナは当然の様に心に揺さぶりをかけて来る。

壮五を呼んで来ると外に飛び出した陸が走り始めると、知らない曲が聞こえて来る。しかも少し切なさを帯びたメロディがとても好みだ。あぁ、これはアレだ、またやられた。謎だった新曲はこれだ。MEZZO”か。名曲感がすごいなどと頭の中はぐるぐる混乱したままシーンは進む。暗くなった部屋の中でうずくまる壮五を発見した陸の呼びかける声と共にエンディングへ。

エンディングでのスタッフクレジットは何故か上から降って来た。フラフラになりながら観ていると雨の中を必死に走る環のビジュアル。しかも種村先生の撮り下ろしじゃないか。エンディングは進む。この時点で既に号泣。何とか観ていると曲のタイトルが明らかに。隣で観ていた妻は「雨、、、」と言い崩れ落ちた。なるほど、だからクレジットが。しかしこの雨という曲は実に素晴らしく全編サビレベルでメロディが良い。個人的にMEZZO”の楽曲の中でも1、2を争うレベルで好きだ。

エンディングを涙まなこで見終わった後、体調の悪さに気がついた。見始める前には全く快調だったのにフラフラして気持ち悪く、若干の吐き気を催している。以前に放送終了後の低血糖を感じてからは、甘いものを常備しておいたのだがこの日はなかなか食べられない。少し水分をとり食べられるようになってから糖分を摂取したのだが結局、放送終了後2時間くらいは具合が悪かったように思う。これがアイドリッシュセブンが劇薬たる所以だろう。恐ろしい。

なんでそんな事するんですか

MEZZO”の「雨」で精根尽き果てたもののサービス盛り沢山の第13話・サウンドシップ回の第14話を乗り越えコンディション(心の)は整えて来た。最終回までは期間が空くことを知り、その日の放送が本放送の最後ということも分かったので何をされるか分からないと覚悟を持って第15話に挑んだ。

しかし、その気概はあっという間に砕け散ることとなった。

放送として観るのはしばらくお預けになるからと、心してオープニングを観ることにした。ここまで共に歩んで来たなと思い感慨に浸っていると少し様子がおかしい、大好きなWiSH VOYAGEなのに何か違和感を感じる。あれ、、整備士さんが突っ立っている。見間違い?動揺を抱えたまま観ていると空が暗い。雲が多い。どういうこと、、心をギリギリのところで保っているも最後の円陣のシーンでメンバーの手がバラバラに離れてしまった。悲しそうな陸の顔。飛んでいってしまった飛行機の音。空はすっかり雲一色。始まる前から辛すぎる。鬼。なんでそんな事するんですか。

前半はゴシップや噂話に振り回されたメンバー間の不和が描かれ、ずっと応援して来たファンには辛い展開が続く。中盤で我らが癒し八乙女楽のほっこりパートが入るものの結局彼も辛い思いを抱えて帰って行く。そしてずっと恐れていた環と父親との再開シーンへ物語は進み、ここでも鬼の演出は行われる。

「感動の再会SP」を収録する事になり、環が個人的に番組プロデューサーからのオファーを受けていた流れをメンバーで共有する。メンバーは環が妹を探していた事を知っていたので口々によかったな、会えるといいな。と環に声をかける。バラバラになりかけていたメンバーがまたお互いを想い合い、以前のように結束力を高めるきっかけになればと僕はテレビの前で願う。そんな気持ちに拍車をかけるように前向きで希望を感じさせるBGMがバックに流れる美しい流れ。ストーリーは知っているのに、一瞬「あれ?これ理に会えるんじゃないか?」と錯覚した。鬼か。

ミスター下岡の司会で収録は始まり、当然のように理は現れずに環の父親が登場する。父親が紹介された途端、環の耳に入る音は遠くなり話している内容は何も意味がなくなる。顔全体を写さず主に口元のアップと声質だけで実に不快感を与える環の父。画面がぼんやりと歪み夢か現実か分からなくなる。不穏な曲と環の衝撃的な表情。過呼吸気味の環の口元は唾液が糸を引く。アイドルとは。イケメンとは。ひどい!なんでそんな事するんですか。(個人的には最高)

環の暴力沙汰で混乱する現場の中、怪我を負ってしまったミスター下岡に頭を下げるメンバーを横目に、いつもは誰よりも礼節をわきまえている壮五だけが環を支えキッとした目で制作側を見る。あのMEZZO”が、と思うと少しホロリと来た。

第15話の放送時間も残り少なくなる。本放送でどこまでやるのかとこれまで何度も妻とディスカッションし予想をして来た。このままでは予想していた中でも最もキツいパターンで本放送が終わる事になりそうだ。

JIMAの新人賞へのノミネートを紡が伝えるもメンバーの顔は晴れない。そのままTRIGGERの胸熱シーンを挟んでのエンディング。あぁ、やはりあの流れだ。事務所に着くと万理が自筆の横断幕(なんか泣ける)と豪華な料理で出迎えてくれる。メンバーの顔は曇ったまま。そこに現れた社長は伝える。MEZZO”の解散、IDOLiSH7の解散を。そして小鳥遊社長の目が開く。この世で目を開かせてはいけないのは小鳥遊社長と聖闘士星矢のシャカくらいだろう。

「ご苦労様でした。」

最悪の予想が当たってしまった。ここで終わったら最悪と思っていたところで本放送は終わり。この状態で1ヶ月以上の「待て」を強いられる事となってしまった。さすがに少しは希望を残して終わるのでは、いやアイナナだったら分からない。と考えていたが、案の定しっかりと最もキツい演出を施して来た。ある意味で納得。本当に、、、なんでそんな事するんですか。

劇伴がとにかく素晴らしい

最後に演出とは違う部分になってしまうのかもしれないがTVアニメ「アイドリッシュセブン」は当然の様に劇伴が素晴らしい。ゲーム中でもこだわりを持った楽曲でファンを夢中にさせて来たアイナナなのだから劇伴に手を抜く訳がない。

2枚組のサントラは作中の様々なシーンに対応して非常にバラエティに富んでいる。ゲーム上の楽曲をアレンジした曲で以前からのファンへのサービスを大切にし、オープニングやエンディングをピアノアレンジした楽曲はしっとりとしたシーンで感動を呼び起こさせる。中でも好きなのが劇伴として作られているのに、普通にダンストラックとして聴けるくらいのクオリティで作られているメインであろう曲たちだ。

ただ曲として聴いているだけで格好良いこれらの曲たちは耳馴染みが良く作業中などに自然に聴いている。個人的には特に「ray of HOPE」「Story of RAiNBOW」「hope of SEVEN」などの曲が好きで、フレーズや曲の展開、音色などツボ過ぎて何度もリピートしている。こういった単体の曲として素晴らしい楽曲群を劇伴として自然にアニメに調和させている点もアニナナの大きな魅力の一つだろう。

随分と長々しい文になってしまったが、これでも全然書き切れないぐらいにアニナナには魅力が詰まっている。いよいよ最終回を向かえアニナナは終了をする。アニナナが終わっても毎日は続くし、お腹も空く。彼らを見ていれば分かる様に人生には困難が付きまとうが、それに向き合ってまっすぐに生きていきたいと思う。

最後に第二部のアニメ放送を心から願っています。第三部は心臓への負荷が大きすぎるかも。

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