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最近またバンドが好き。マイフェイバリットインディロック2017夏

favorite indie bands

今年に入ってからバンド物の音楽をあまり聴いていなかった気がする。

6月に2017年上半期ベストの記事を書いたのだが、その中でもはっきりとザ・バンド(あのThe Bandじゃない)という様なグループは少なかった。どちらかというとヒップホップやメインストリームのものが多かった。所謂バンド的な音に飽きてしまっていたところがあり、たまに聴くことはあってもどっぷりと夢中になることが少なくなっていたのだ。

だが最近またバンド的な音楽が面白いなと思える様になってきている。単純にバンドじゃない音楽に飽きただけかもしれないが、やっぱりこういうのが好きだなーと思えるグループを色々知ったからかもしれない。そんな風にまたバンドイイネと思わせてくれたグループをいくつかメモ。

Pale Waves

マンチェスターのインディポップバンドPale Waves。The Cureや所謂C86な音を思わせるギターサウンドにガールボーカルがキャッチーなメロディを歌う個人的に大好物な音楽だ。ゴスな見た目も格好良くてアリ(なんで日本のビジュアル系とは随分違うんだろう)

ファーストシングルの「There’s A Honey」はThe1975のメンバーがプロディースしているだけあって唯のありがちなギターポップにはなっていない。ヴァースのベースパートにシンセベースを足しているところや、ブレイク部分でのシンセによる繊細なサウンドプロダクションなど僕がThe1975に一番魅力を感じている部分が惜しげも無く加えられている。

ちょうど今日、イギリスのRadio1でオンエアされたPale Wavesの新曲「Televison Romance」ではよりThe1975感が増していて、やはりDirty Hitの核は彼らなのだと改めて感じた。

まだ聴ける曲の少ないPale Wavesだが、同じくDirty Hitに所属するThe1975プロディースのThe Japanese Houseと共にレーベルカラーを色濃くしていく存在になるかもしれない。

Agent Blå

スウェーデンのティーンネイジャーバンド。ポストパンクやソニックユースなどの初期90sオルタナティブを感じさせる殺伐感と不意にくるポップネスは北欧サウンドの良いところ取り。

北欧サウンドといえばThe Cardigans・ABBAなどのポップス、Röyksoppの様なエレクトロニカ、そしてIceageなどのハードコアサウンドやブラックメタルと、とても幅広い音楽を世界中に広めている。

Agent Blåのサウンドはそれらの特徴を全て取り込み、若さゆえの衝動でゴチャゴチャのままに吐き出している様だ。それはもっと色々な事を知っていくうちに出来なくなるかもしれない。だからこそ若さと初期衝動は尊いという事をAgent Blåを聴いているうちに僕は思い出した。

Jay Som

バンドではなくてソロアーティストなのだが、そのサウンドは90sオルタナティブを見事に消化している。美しいメロディと心地よく歪んだギターが心の琴線に響く。

日本における所謂洋楽ロックのイメージは90年代をずっと引きずっている様に感じられてしょうがない。いつまでもカートコバーンはカリスマだし、Oasisは未だに最高のバンド扱いだし、Radioheadは僕も大好きで素晴らしいバンドだが今だって実験的なバンドは沢山いる。今はBlurよりもGorillazの方が絶対的に格好良いんじゃないだろうか。

前にも書いた気がするのだが、海外のオルタナティブサウンドのリバイバルと90年代からずっと最高扱いされてきた日本でのオルタナは別物だと思う。

Jay somは僕をバンドサウンドに引っ張り込んだ決定的なアーティストだった。曲の美しさに惚れ惚れした。去年リリースされたMitskiのアルバムと共振するものを感じるがアジアにはオルタナティブを産ませる何かがあるのだろうか。St.Vincentと彼女達は決定的に何かが違う。どちらが良いとか言う話ではなくて、DNAの様なものなんだろうか。

意図せずに女性ボーカルのバンドばかりになったのは、今のシーンがそういった方向に向かっているからか自分が女性アイドルを聞く様になったからなのかは分からない。相変わらず変な着地でおわり。

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