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激烈エモーショナル!アットザドライブインの再結成アルバムに踊る

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先日、アットザドライブインが再結成後に初めてのアルバムを出した。再結成を知った時は嬉しい気持ちと今は興味を失ってしまっていた事もあり、ふーんと思う程度だったのだがアルバムを聴いてみるとなかなかどうしてふむふむ、ジスイズアットザドライブイン。

アットザドライブインを初めて知ったのはかれこれ15年程前、専門学校生だった頃だ。その頃、ロッキングオンに掲載されていた写真が印象的で気になった。メンバー五人中、二人がアフロ。一人は壊れた黒縁メガネのフレームをガムテープで止めており、言葉は悪いが廃棄物と見間違う程のコンバースのオールスター。メンバー全体的にピタピタのティーシャツ(昔で言うピチティー)にピタピタのジーパン(今で言うスキニーパンツ)。

この者たちは何ぞやと思うも自分の故郷である愛知県の地方都市には彼らのCDを売っている店など無く、名古屋へ出かけた折に巨大CDショップHMVにてIn/Casino/Outというアルバムを買った。彼らの音はスタタンタンタンタンタタタンタンとスタスタとした性急なリズムにやたらと感情的な歌が乗っかっており、ズバリ言ってエモかった。当時はエモいなどとは言っていなかったが、頭の中ではエモーショナルいと思っていた。

そして来る日も来る日も繰り返しIn/Casino/Outを聴いた。アットザドライブインは突き刺さった。あのアフロ頭達がこれをやっているのかと思うと余計にぶち突き刺さった。

彼らはその後、メジャーレーベルからRelationship of commandという傑作アルバムを出し、空耳アワーでの「ど・ど・ど・ど・童貞ちゃうわ」で普段この様な音楽を聞かない人にも知られ渡った後に解散した。空耳アワーの件は解散に関係していないであろうことは想像に難しくない。

解散したアットザドライブインは、アフロ二人とアフロじゃない三人に分裂し別々のバンドを結成した。アフロじゃない三人はスパルタという大変格好が良い名前のエモーショナルなバンドでエモーショナルな歌をエモーショナルに歌い大変格好が良かった。好きだった。

チームアフロの二人はマーズボルタという更に格好が良い名前のバンドでプログレッシブでダビーでサルサで奇怪な音楽を始めた。これがとにかく無茶苦茶に格好が良かった。2004年にマーズボルタが単独来日公演を行った際に彼らのライブを見た。CDで聴くよりも更に無茶苦茶に格好が良かった。正直これはもうアットザドライブインどころではない。素直にそう思った。

それから数枚マーズボルタのアルバムを聴いたが、個人的な趣味が移り変わって行った事もありだんだんとマーズボルタからもスパルタからも遠のいて行った。

再結成後のアルバムIn●ter A●li●aはスパルタでもマーズボルタでも無くアットザドライブインだった。スタタンタンタンタンタタタンタンとスタスタとした性急なリズムにやたらと感情的な歌が乗っかっており、エモーショナルかった。いや2017年には便利な言葉がある。エモかった。今年になってからトラップ最高。フューチャー最高。とばかり思っていた僕も思わず血が湧き肉も躍った。

昨年出たザストーンローゼスの再結成後の新曲は正直、こ、、これぇ?と感じつつもこれだよね。これを理解するべきだよね。うーん、最高?などと混乱しながら最高と自己暗示をかける必要があった。

そう考えると良くも悪くも混乱せずに聴ける安心感のあるIn●ter A●li●a。アフロの歌う方、セドリックが太りエルビスファンのテキサスのおじさんの様な風貌になっても、ふむぅ、ジズ・イズ・アットザドライブイン。

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