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まさかの復活をしたSyrup16gのニューアルバムHURTを聴いた

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ニューアルバムが出るなんて全然考えもしなかった。でも僕の手元にそれはある。

syrup16gを僕が初めて聴いたのは20歳前後くらいだったと思う。地元の電気屋エイデンで。テレビに流れていたミュージックビデオの雰囲気とあまりの曲の良さに足を止めて聴き入った。時間は流れてバンド名と曲名は忘れてしまったのにメロディは頭の中に残っていてたまにその曲を聴きたくなったりした。

ある日、読んでいた音楽雑誌BUZZの特集が日本のロックだったか何かだったと思うのだけど、その中にsyrup16gも載っていた。ちょうど15曲入り1,500円の「HELL SEE」が出た頃。インタビューで「1曲100円でもいいから誰か聴いて」みたいな事を言ってて気になって買ってみた。

アルバムを聴いて歌詞の生々しさと曲の良さに一気に夢中になり彼等について調べているうちに、あの時たまたま聴いた曲は彼等の「Reborn」だったと知った。そういえばあの頃はYoutubeどころかインターネットもまだ発展途上だったので、雑誌などの情報を読み取り自分で予想するしかなかった気がする。でも予想は割と当たったりするもの。それで知った音楽はたくさんあった。インターネットが発達した今は直感の使いどころが少なくなっているのかも。脱線。

それから僕は地元を出て新しい生活を始めた。彼等の曲は僕の不慣れな日々に寄り添っていた。深夜に疲れて帰宅する暗い夜道、イヤホンで聞く「明日を落としても」や「きこえるかい」アパートにつく前、最後から2つ目の曲がり角で「Reborn」にする。夜空を見上げて少し泣く。今考えると完全にいかん人。

6年前、彼等が解散する時に僕は初めて武道館に行った。解散するのを知った時にショックなのはあったが、どこかでそりゃそうだとも思っていた。初めて彼等の存在を知った時から僕にはずっと続いて行くイメージが持てなかったから。淡々と曲が進んで行くライブの最後に歌われた「Reborn」照明が全てついた中のあの曲は僕の中で忘れられないシーンになった。Syrup16gは一度終わった。

ニューアルバムが出るなんて考えもしなかったのに、タワーレコードで買ったそれは僕の手元にある。

今から聴こ。

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